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バラ園の存続をかけたクラファン活用による事業再構築

株式会社草源 源 香(みなもとかおり)さん
県内有力企業が保有している「こどもの国」に隣接するバラ園の植栽管理を行う。 令和4年度まで、年間管理委託料600万円を受注し、源さんと外注2名の3名体制でバラの管理や施設内の植栽整備を行ってきた。

相談のきっかけ

源さんはガーデナーとして、宮崎県の観光名所である青島地区に所在する遊園地「こどもの国」に隣接するバラ園の植栽管理を行ってきた。

バラ園の運営は、管理会社からの委託料によって賄われていた。管理委託を受けた源さんは委託料からバラ園の造園管理に必要な諸経費(苗・肥料等、人件費)を捻出してきた。 そういった中、コロナの影響等で管理会社の委託料減額の打診があり、今後バラ園を存続すべきか相談があった。

持続可能な運営体制の構築と事業計画の立案が課題

令和5年度から管理会社の経費削減によって、半額となる年間管理委託料約300万円で運営しなければならなくなった。 一方、管理料削減と引き換えにバラ園内の施設(建物等)を自由に活用できる契約への提案があった。

このような背景の中、今後の課題は大きく2点だと捉えた。
①持続可能な収益源の確保(造園管理以外の売上の柱の構築)
②運営可能な収支計画を中心とした事業計画の立案

以上2点の課題について、解決へ向けた相談を行った。

クラウドファンディングによるバラ園の社会的存在意義の問いかけ

こどもの国は宮崎県民にとって、古くから非常に馴染みのある遊園地で、隣接するバラ園も多くの来場のあった施設である。現在は遊園地の事業は大幅に縮小しており、その影響もあって、バラ園の来場者も近年減少傾向にあった。

一方で、バラ園をPRするための屋外広告物やインターネット上での露出等が十分に行われていなかったことから、クライドファンディングによって、バラ園の社会的意義を問いかけ、委託管理料(BtoBチャネル)以外にも一般来場者(BtoCチャネル)からの収益源確保の方法を模索した。 具体的な方法として、クラウドファンディングを行うことによってバラ園の存続を問いかけ、プロジェクト支援による当面の運営資金の確保を行った。また、PR効果による来場者増加によって、入場料や物販収益等の新たな収益確保について、アドバイスを行った。

宮崎県民にとってバラ園の存在意義が感じられたため、収益性だけでなく社会性にも目を向け、支援の方向性を模索した。

成果

  1. ・クラウドファンディングを実施したことにより、減少してしまった委託料を一般個人からの支援によって、補うことができた。結果としては、300万円の目標金額を大きく上回る5,160,500円(目標値172%達成)の調達に成功した。
  2. ・NHKや地元テレビ局、新聞社などからも取材を受け、バラ園の認知度が高まった。
  3. ・バラ祭りなどのイベントを通じて、バラ園を持続的に運営できる収益源を確保できた。・クラウドファンディングと同時期に行った春のバラ祭り入場料や物販売上などで500万円以上の売上があった。
  4. ・バラ園の維持管理などのために、外注人材を正規雇用に転換するなどの雇用の創出にもつながった。 今後は、バラ園のスポンサー制度や秋のバラ祭りなどのイベントによって、バラ園の運営を安定的なものにするために、法人設立など経営基盤を固めていくこととなった。

相談者の声 (源 香 様)

今回、クラウドファンディングに挑戦しようと思った大きな理由は、もちろん、資金面もそうですが、今のこどものくにの現状や、ここ数年の私達の取り組みで、進化し成長途中にある事も、知ってもらいたいという思いが強くありました。読むだけでも…そんな思いでページに飛ぶQRコードを貼った名刺を作り、バラ園に来た方へ一人一人お配りしました。今回は各メディアの取材もあり宮崎市の皆さんの来園が多く、知って頂くきっかけになった事は間違いありません。これからは見る人だけでなく、ガーデンに関わりたい人たちも増やし、みんなの庭として育んでいきたいです

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